山川直人監督『SO WHAT』──田舎青春と音楽が交差する瞬間

1988年に公開された山川直人監督の『SO WHAT』は、田舎町でロックバンドに打ち込む高校生たちの友情と恋、そして夢を描いた青春映画です。大友克洋原作ということもあり、映像やセリフに独特の空気感が漂っています。


あらすじと舞台背景


仲間内でバンドを組むヒロシ、エージ、ショータローの3人。そこに転校生アキラが加わり、音楽を通して絆を深めていきます。皆が淡い想いを寄せる陸上部のミツコをめぐる揺れる心情、文化祭をきっかけに変わっていく人間関係。恋と友情のはざまで葛藤する姿は、観る者に切ない余韻を残します。


ノスタルジーを誘う要素


田舎暮らしを経験した人には、この映画の風景や空気感は強くノスタルジックに響くのではないでしょうか。土の匂いのする校庭や、都会に憧れながらも閉塞感を抱える地方の若者の姿。さらに、作中にはファミコンのネタも登場し、80年代の暮らしを知る世代には思わず頷いてしまう共感ポイントが散りばめられています。


青春映画としての魅力


友情と失恋:一緒に音楽をやりたい気持ちと、恋の感情が複雑に絡み合う。

音楽の力:ヒルビリー・バップスの主題歌をはじめ、バンドシーンは胸を打つ迫力。

時代性:バブル期直前の若者の姿が切り取られ、今見ると新鮮かつ懐かしい。


まとめ


『SO WHAT』は、ただの青春映画にとどまらず、当時の田舎の暮らしや文化をリアルに映し出した作品です。音楽に夢を託した若者たちの姿は、世代を超えて共感を呼びます。特に、かつて田舎で青春を過ごした人にとっては、ファミコンや校庭の匂いまでもが蘇ってくるような映画といえるでしょう。



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ヒルビリー・バップス 

日本映画ブログー日本映画と時代の大切な記憶のために SO WHAT(1988) 

ほころび she is standing 


作中使われていて曲。
 
1989年 映画 『ジュリエット・ゲーム』 主題曲