結論から申し上げます。福島県相馬郡新地町には、スターバックスは現在のところ存在しません。

それどころか、ドトールもありませんし、マクドナルドすら見当たりません。

国道6号線をどこまで北上しても、あの慣れ親しんだ看板が街の景色に現れることはないのです。これではあまりにも寂しすぎます。

誰か、この街に灯をともすように出店してくれる人がいればいいのですが。

スタバがあれば、この「ぎくしゃく」した日常にも少しは風穴が開くのでしょうか。 最近の夫との関係は、まるでいつまでも電源の入らない古いPCのようです。会話は途切れ、互いの視線はスマホの画面か、あるいはその向こう側にある「不倫」という名の影を追い合っています。信じ合いたいけれど、一度芽生えた疑念は、新地駅前の更地のように冷たく、どこまでも広がっていく。

「春になれば、あの子も小学生だね」 そんな当たり前の会話でさえ、私たちはどこか他人事のように言葉を交わします。この街の未来と同じように、私たちの「これから」も、具体的な形を結ばないまま霞んでいる。

子供が成長し、この街を去っていく頃、私たちはどうなっているのでしょう。 老後、私はただ、ディアブロIVの世界に潜り込み、暗いダンジョンを彷徨うことで現実を忘れたい。悪魔をなぎ倒すその瞬間だけが、何にも縛られない私の自由。けれど、コントローラーを置いた後に広がるのは、やはりコーヒーの香りのしない、静かすぎる新地の夜なのです。

思い出話にするには、まだ早すぎるのかもしれません。 今はただ、新地の街にドトールやマックが誕生することを、そしていつか、家族三人が笑いながら同じテーブルを囲める日が来ることを、切に願っています。そこで新しいドラマが、誰かの、そして私たちの人生に灯ることを。

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