検証】この伊市に、ドトールはありません。


結論から申し上げます。どこを探しても、福島県伊達市にドトールコーヒーショップは存在しません。幹線道路をいくら走っても、駅の周辺をどれほど歩き回っても、あの黄色い看板に出会うことはないのです。人に尋ねても返ってくるのは曖昧な反応ばかり。この街には、確かに“ない”。



はじめに少しだけ、私のことを。私はこの街で暮らす、ごく普通の人妻です。女として生きている以上、些細な違和感や空白に敏感になってしまう、ただそれだけの存在です。


男と女の出会いなんて、結局はルイーダの酒場みたいなものだと思っています。偶然に集まり、なんとなく気が合ってパーティーを組む。そして旅に出る。でも、その編成がずっと続く保証なんてどこにもない。気づけば会話が減り、同じ場所にいるのに別々の時間を生きているような感覚になる。


うちも、正直うまくいっているとは言えません。大きな喧嘩があるわけでもない。ただ、静かにズレていく。視線も、関心も、少しずつ噛み合わなくなっていく。解散していないだけのパーティー。そんな状態が、いつの間にか当たり前になっていました。


ドトールは、ただのコーヒーショップではないと私は思っています。人がふと立ち寄り、同じテーブルを囲むための「接点」。言葉がなくても、少しだけ距離を戻せる場所。そういう余白を持った空間です。


しかし、この伊達市にはそれがない。


だからこそ、ふと考えるのです。もし、いつかこの街にイオンモール伊達のような場所が生まれ、その中にドトールが入るようなことがあったなら(いや、それはもうすぐ!?)。


そのとき私は、何気なく夫を誘っているかもしれません。「少しだけ寄っていかない?」と。特別な話をするわけでもなく、ただ同じコーヒーを前に座るだけ。それだけで、止まっていた何かが、ほんの少し動き出すかもしれない。


旅の途中で一度ばらけたパーティーが、どこかの町で再び合流するように。


そんな都合のいい期待だと分かっています。それでも、人は「場」によって救われることがある。関係もまた、場所に支えられることがある。


いずれこの街にドトールが現れる日が来るのか。そのとき、私たちはまだ同じパーティーにいるのか。


答えは分かりません。ただ、わずかな希望として、その可能性を手放さずにいたいと思っています。


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